同志社大学発のベンチャービジネス
株式会社インテリジェント・ソリューションズは、同志社大学工学部知識工学科の教員2名が起ち上げた、同志社大学発のベンチャービジネスです。会社設立は2004年4月13日、同志社大学研究推進機構が2004年度に開設したインキュベーションルームの一つを借用し、ビジネスをスタートさせました。
近年、大学で行った基礎研究の成果を応用し、次世代の産業を振興することが重要になってきています。これまで、大学は高度な研究と学生の教育を分離し、高度な研究は産業界と無関係に、できるだけ社会における応用を考えず、アカデミックなアプローチで進めてきました。一方、学生の教育については就職先の企業に任せ、教員は自分たちが昔学んできたことを切り売りすることでほとんど努力せずに、また学生や社会のニーズに対応することなしに、行われてきた感があります。
しかし、このような考え方は社会の変化と共に現実に合わないことが明らかになってきました。現在では、大学で生産される「知識」は、どれだけ人間や社会の幸福や平和に還元できるか、という視点から捉えるべきであり、一部の偏狭なアカデミズムが閉鎖的に知識を独占して社会的評価を得られる状況ではなくなりました。一方、学生たちも、年々、豊かになった社会の恩恵を被って苦しみの少ない生活を送り、その結果として人生に強い目的や目標がなく、社会的活力が低下してきているようです。こうした状況では、学生たちは教員から受ける昔の知識の切り売りに何の魅力も感じません。いま、学生たちに必要なことは、自分たちが社会で何をすべきなのか、社会のニーズは何であるのか、そしていま社会では何が問題となっているのか、ということを教え、体験する教育環境であると思います。その中から学生は社会における自分の存在意義を見いだし、自分の人間的魅力と社会的価値を高める努力を始めると思っています。
このような観点から、同志社大学工学部を母体として株式会社インテリジェント・ソリューションズが生まれました。この会社を設立した趣旨は次のとおりです。
1) 人間社会や産業界における種々の問題解決に有効なソリューションを提供すること、特に環境変化に適応的に対応できる新しい、賢い解決法を社会に提供すること。
2) 同志社大学工学部の各研究室で得られた基礎研究の成果を応用し、新しい技術として広く社会に普及させ、社会に還元すると共に、新しい産業の芽となり、人間の幸福に資すること。
3) 同志社大学工学部から生まれたベンチャービジネスとして、社会的に意義のあるビジネス活動を行い、同志社大学の社会的地位向上に資すること。
4) 同志社大学工学部の学生達が、この会社の仕事を側面から手伝うことで、研究の社会的な意義を確認し、研究のモチベーションを高め、研究のより一層の進展を期するとともに、学生自身が自分を高め、自身の研究活動に資すること。
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